実はすごい!ビタミンD

ビタミンDと聞くと、みなさんどのようなことを思い浮かべるでしょうか?

「骨を強くする」「成長」でしょうか。あまりイメージがない方も多いと思います。

今まで注目されていなかったビタミンD。長い間ビタミンDの働きは体内でのカルシウムの代謝やカルシウム濃度の調整とされてきました。

実は最近の研究でビタミンDの働きが、脳や神経、血管なども含む全身の器官に及ぶことが分かってきました。まだ研究段階ですが、ビタミンDはさまざな種類のがんを予防するかもしれないという研究結果も発表され注目されています。

またビタミンDは、体内に侵入したウイルスや細菌に対して必要な免疫機能を促進すると言われています。そのため風邪やインフルエンザなどの感染症への効果も期待され研究されています。

最近では新型コロナウイルスとビタミンDの研究が報告されました。体内のビタミンD濃度が高い人は、新型コロナウイルスでの感染率と死亡率が低いという報告でした。

まだ研究段階で結論付けることはできませんが、今後の研究に期待が寄せられています。

今回は、注目されつつあるビタミンDの働きやビタミンDが多く含まれる食品と摂取目安をお伝えします。

 


ビタミンDとは?


ビタミンDは強い骨や健康を維持するために必要な栄養素です。

食べ物からとるほか、日光に当たることで私たちの皮膚でも作られます。ビタミンDが不足すると骨の成長が悪くなり、乳幼児ではくる病、成人では骨軟化症を引き起こすと言われています。

 


ビタミンDの働きとは?


〇カルシウムの吸収を助け、骨や歯を丈夫にする!

ビタミンDは小腸からのカルシウム吸収を良くし、カルシウムが骨に沈着するのを助けて丈夫な骨や歯の形成に働きます。

カルシウムは血液や筋肉に一定濃度を保つことで、体のさまざまな機能を調節しています。ビタミンDはそのカルシウムの濃度を保つ働きもしています。

〇筋力強化

ビタミンDは筋力を高める働きがあります。そのため骨折を予防します。ロコモティブシンドローム予防にも有効とされている栄養素です。

〇免疫機能を調整する

ビタミンDは体内に侵入したウイルスや細菌に対して必要な免疫機能を促進します。

 


どんな食品に含まれているの?


ビタミンDは魚類に多く含まれています。その他にきのこ類や卵などに含まれています。

■ビタミンDが多く含まれている食品

食品 1食あたりの使用量 ビタミンD含有量(μg)
イワシ丸干し 1尾(30g) 15.0
サケ 1切れ(80g) 25.6
ウナギ 1串(100g) 19.0
サンマ 1尾(100g) 14.9
カレイ 小1尾(100g) 13.0
マカジキ 1切れ(100g) 12.0
ブリ 1切れ(80g) 6.4
しらす干し(半乾燥品) 大さじ2杯(10g) 6.1
鶏卵 1個(50g) 2.6
きくらげ(乾燥品) 2枚(2g) 1.7
干し椎茸 2個(6g) 0.8

 

 


どれくらいとればいいの?


ビタミンDの1日の摂取目安量は、以下の表のように厚生労働省作成の「日本人の食事摂取基準」で定められています。

18歳以上のビタミンDの摂取目安量は、男女とも8.5μg/日とされています。

■ビタミンDの食事摂取基準(μg/日)

性別 男性 女性
年齢等 目安量 耐容上限量 目安量 耐容上限量
0〜5(月) 5.0 25 5.0 25
6〜11(月) 5.0 25 5.0 25
1〜2(歳) 3.0 20 3.5 20
3〜5(歳) 3.5 30 4.0 30
6〜7(歳) 4.5 30 5.0 30
8〜9(歳) 5.0 40 6.0 40
10〜11(歳) 6.5 60 8.0 60
12〜14(歳) 8.0 80 9.5 80
15〜17(歳) 9.0 90 8.5 90
18〜29(歳) 8.5 100 8.5 100
30〜49(歳) 8.5 100 8.5 100
50〜64(歳) 8.5 100 8.5 100
65〜74(歳) 8.5 100 8.5 100
75以上(歳) 8.5 100 8.5 100
妊婦 8.5
授乳婦 8.5

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準 2020年版」

 


ビタミンDは足りているの?


厚生労働省作成の「令和元年国民健康・栄養調査」によると、20歳以上のビタミンDの平均摂取量は、7.2μg/日でした。食事摂取基準の摂取目安量は8.5μg/日なので足りていないことが分かります。

また男女年齢別で食事摂取基準と比較すると、70代・80代以上の男性と70代の女性以外はどの年齢も足りていませんでした。多くの方がビタミンDが不足していると言えます。

特に日光に当たる機会や魚を食べる機会が少ない方は、不足しがちになります。

 


ビタミンDのとり入れ方


日光に当たること、食事に魚ときのこをとりいれることが効果的です。

日光浴の目安ですが、両手の甲くらいの面積が15分日光に当たれば十分と言われています。日陰では30分が目安です。

日光浴だけでなく、食事からビタミンDをとることも必要です。

主菜に魚、副菜にきのこを積極的に使用しましょう。毎日魚をとるのが理想ですが、1週間に3回は魚をとり入れられるといいですね。

ビタミンDは分解されにくい性質なので、魚料理はどんな調理でも大丈夫です。

簡単に魚をとり入れる方法として、刺身、味付け魚を焼く、鍋や味噌汁に魚ときのこを入れる、魚の缶詰を利用するなどがあげられます。

鮭フレークやしらす干しを常備しておくのもお薦めです。忙しい朝食のおにぎりやトーストの具材になります。パンにチーズとしらす干しをのせるトーストは美味です。

また、しらす干しは野菜炒めにも利用できます。しらすとにんにくの相性が抜群なので、オリーブオイルでにんにくを炒めキャベツやピーマン、しらすをいれて炒めて、塩で味付けするだけで絶品です。パスタはもちろんのこと、ごはんやパンにも合います。

魚が苦手な方・日光に当たれない方は、ビタミンD入りの食品やサプリメントを利用するのも1つの方法です。

食品ではビタミンDが配合されている卵や牛乳、ヨーグルト、お菓子が市販されています。

ビタミンDは摂り過ぎに注意が必要な栄養素なので、食事摂取基準の上限量を超えないように確認して利用することが大切です。

不足しがちなビタミンD。日光浴と食事を意識して不足しないように気をつけましょう。

管理栄養士

吉岡彩

<学歴>
法政大学文学部卒
女子栄養大学栄養学部卒

<職歴>
・損害保険会社にて事務及び講習会講師業務
(その後女子栄養大学を卒業)
・病院にて管理栄養士として給食管理、集団栄養指導、個人栄養指導など
 栄養管理業務を担当
・健康診断専門のクリニックにて管理栄養士として特定保健指導、栄養相談業務を担当
 (今までの特定栄養保健指導の面談及び継続支援者数962名)

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