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妊娠初期・妊娠中期の栄養と食事 part1

妊娠したときの喜び、それは何ものにも代えがたい喜びではないでしょうか。私も妊娠・出産が今までの人生の中で1番の喜びと感動でした!

自分の体の変化は大変なこともありますが、生命の誕生から胎児の成長は神秘的で感動の日々かと思います。しかし喜びは束の間、妊娠して少し経つと、つわりが始まり、体の変化とともに肉体的にも精神的にも不調になる人もいるようです。

そして、赤ちゃんのために何を摂り、何を注意したらいいか、食事に悩む方も多いかと思います。赤ちゃんは、妊娠して2ヶ月(7週)頃にお母さんとへその緒でつながり、お母さんから栄養をもらって発育します。そのため、妊娠時に栄養バランスの取れた健康的な食生活を送ることはとても大切です。

今回は、妊娠中に注意したいもの、積極的に摂りたいものを中心に妊娠時の食事の仕方についてお話ししたいと思います。part2まで続きます。

 


妊婦が注意したい栄養素・食品


妊娠中に摂取すると、妊婦さんや胎児に悪影響を及ぼすものもあります。

注意したい栄養素や食品について、妊娠前・妊娠初期と妊娠期間中に分けてご紹介します。

 

 


妊娠前・妊娠初期(~13週)


〇ビタミンA

ビタミンAは、身体の機能維持や成長などに関与し、胎児の発育に不可欠のビタミンです。

しかし、妊娠中にビタミンAを摂り過ぎると、胎児の奇形の発生率が高くなることが報告されています。特に、妊娠初期の過剰摂取が問題のようです。

ビタミンAのサプリメントやビタミンAを高濃度で含む食品、レバーなどは定期的に摂らないようにしましょう。特に妊娠3ヶ月以内または妊娠の可能性がある女性は、ビタミンAのサプリメントとレバーは控えた方が良いでしょう。

ビタミンAは、胎児にとって必須のビタミンであり、欠乏しても過剰摂取しても発育に異常が出てしまう摂取が難しい栄養素です。

緑黄色野菜のビタミンAは問題ないと言われているので、毎食取り入れていきましょう。

 


妊娠期間中


〇アルコール飲料

妊娠中の飲酒は、子供の発育の遅れ、中枢神経の障害(学習・記憶力、コミュニケーションの障害)などを伴う先天異常を起こす場合があります。

妊娠中すべての期間で、飲酒しても胎児に影響が出ない安全なアルコール量は明らかになっていません。赤ちゃんのために、妊娠中の飲酒はやめましょう!!

〇魚介類に含まれるメチル水銀

魚介類は、良質なたんぱく質やカルシウムなどのミネラルの摂取源であり、脳の発育に効果があると言われているDHA・EPAも豊富に含まれており、妊婦さんにとっても必要な食品です。

しかし、クロマグロやメカジキ、キンメダイ等の大きい魚は、メチル水銀濃度が高いものもあり、こういう魚をたくさん摂り続けると胎児に影響がでる可能性があり注意が必要です。

以下のパンフレットに、気をつけたい魚が載っていますので参考にして下さい。

「これからママになるあなたへ」厚生労働省

〇食中毒を引き起こす微生物

妊娠中は食中毒に気を付けましょう。特にリステリア菌に注意が必要です。

リステリア菌に感染すると、早産や流産の原因になったり、胎児に影響が出た報告があります。

肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモン、ナチュラルチーズなど、加熱していない食品や食前に加熱しない調理済み食品が原因でリステリア菌による食中毒が報告されています。

〇カフェイン

カフェインとは、コーヒー豆や茶葉に含まれる成分です。コーヒー、玉露、紅茶、煎茶、ウーロン茶などに含まれています。

また、清涼飲料水のエナジードリンクや眠気覚まし用のドリンクにもカフェインが含まれており、コーヒーや茶類よりも多く含まれているものもあります!

カフェインを摂り過ぎると、胎児の発育を阻害する可能性があると指摘されています。妊娠中は、ノンカフェインの飲み物を摂るのがお薦めです。

ノンカフェインの飲み物として、水・麦茶・ルイボスティー・黒豆茶・コーン茶・たんぽぽコーヒー(たんぽぽ茶)などがあります。最近は、カフェインレス(カフェインを取り除いたもの)のコーヒーや茶葉も色々と市販されています。

ぜひ、お気に入りの飲み物を探してみてください。カフェインレスのコーヒーではもの足りない!という方は、カフェイン入りのコーヒーだと、1日マグカップ1~2杯程度なら大丈夫と言われています。

以下の資料に、妊娠中のカフェインの上限量や食品中のカフェイン量が載っていますので、参考にしてください。

食品中のカフェイン

引用:食品安全委員会 食品中のカフェイン

 

妊娠初期・妊娠中期の栄養と食事は、part2に続きます。ぜひ、ご覧ください。

管理栄養士

吉岡彩

<学歴>
法政大学文学部卒
女子栄養大学栄養学部卒

<職歴>
・損害保険会社にて事務及び講習会講師業務
(その後女子栄養大学を卒業)
・病院にて管理栄養士として給食管理、集団栄養指導、個人栄養指導など
 栄養管理業務を担当
・健康診断専門のクリニックにて管理栄養士として特定保健指導、栄養相談業務を担当
 (今までの特定栄養保健指導の面談及び継続支援者数962名)

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