• HOME
  • 記事
  • 妊娠初期・妊娠中期の栄養と食事part2

妊娠初期・妊娠中期の栄養と食事part2

今回は、妊娠初期・妊娠中期の栄養と食事 part1の続きです。

ぜひ、part1からご覧ください。

 


妊娠初期・妊娠中期の食事


妊娠中に積極的に摂りたい栄養素や食事について妊娠初期と妊娠中期に分けてご紹介します。

厚生労働省作成の妊産婦のための食事バランスガイド・食生活指針も参考にしてください。

妊娠前からはじめる 妊産婦のための食生活指針

 


「妊娠初期(~13週)」の食事で注意したいこと


妊娠初期は、つわりや味覚が変化し、不調になりやすい時期です。

つわりのときは、無理して食べなくても大丈夫!この時期は食べられなくても赤ちゃんの成長には問題ないと言われています。嘔吐したときには、水分をしっかり補いましょう。

妊娠初期の食事量は、妊娠前の食事量にプラス50㎉/日(ごはんなら数口程度)増やす程度なので、妊娠前と同じ量で大丈夫です。

食事のバランスに気をつけ、葉酸を積極的に摂ることが大切です。

1食の目安として、主食(ごはん・麺類・パンなど)1品+主菜(魚・肉・卵・大豆製品)1品+副菜(野菜・海藻)2品が揃うとバランスの良い食事になります。

主菜は、毎食違う食品を摂るのが理想です。副菜は、緑黄色野菜を意識して摂るようにしましょう。毎食の食事にプラスして、乳製品(牛乳・ヨーグルト)と果物も1日1回摂れると完璧です。

 


つわり対策


つわりのときは、「食べられるときに、食べられるものを摂る!」と考えて気持ちを楽にしましょう。

食べられるときには、主菜と副菜を意識して摂りましょう。つわりのときは、さっぱりとした味と調理の簡単さがポイントです。

市販の味付きもずく、ところてんを利用すると、酸味があり食べやすい味付けで、色々とアレンジもできてお薦めです。もずく又はところてんに豆腐やトマト・スプラウトなど食べやすい野菜を混ぜるだけで主菜と副菜が摂れます。

また、ミキサーを利用し牛乳または豆乳に野菜や果物をいれてジュースにするのもお薦めです。

妊娠中期にはおさまってくるつわり。無理せずに乗り切りましょう。

 

◉積極的に摂りたい栄養素と食品

妊娠初期に積極的に摂りたい栄養素は、葉酸です。

葉酸は、ビタミンB群の1つで胎児の健全な発育のために特に重要な栄養素です。

妊娠初期における葉酸の不足は、胎児の神経管閉鎖障害につながる可能性が指摘されています。そのため、妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間は、通常の食事からの摂取に加えて、サプリメントなどの栄養補助食品からの摂取も推奨されています。

サプリメントの利用については、注意して頂きたいこともあるので、【サプリメントを利用する際の注意点】をご覧ください。

〇葉酸が多く含まれている食品:レバー・モロヘイヤ・ブロッコリー・ほうれん草・枝豆・アスパラガス

 


妊娠中期(14~27週)の食事で注意したいこと


妊娠中期はつわりもおさまり、体調が安定してきます。そのため、食欲旺盛になることもあり、食べすぎに注意が必要です。

胎児の成長が著しいこの時期、体の基礎をつくるたんぱく質やカルシウム、血液をつくる鉄を積極的に摂取しましょう。

初期同様に栄養バランス良く、さまざまな食品を摂り入れることも大切です。

妊娠中期の食事量は、妊娠前の食事量にプラス250㎉/日です。たんぱく質・カルシウム・鉄の摂取源である主菜と副菜を増やしましょう。1日として、主菜1品、副菜1品を追加するのが理想です。

◉積極的に摂りたい栄養素と食品

妊娠中期には、たんぱく質、カルシウム、鉄、食物繊維を積極的に摂り入れましょう。

〇たんぱく質が多く含まれている食品:魚・肉・卵・大豆製品

〇カルシウムが多く含まれている食品:乳製品・小魚・大豆製品・モロヘイヤ・小松菜・大根の葉・水菜

〇鉄が多く含まれている食品:レバー・赤身肉・カツオ・丸干しイワシ・あさり・大豆製品・小松菜・ひじき妊娠中は鉄欠乏性貧血になりやすいので、積極的に鉄を摂りましょう。

〇食物繊維が多く含まれている食品:玄米・おから・モロヘイヤ・ごぼう・ブロッコリー・きのこ類・海藻類妊娠中期から便秘になりやすくなります。食物繊維を積極的に摂りましょう。

 

 


妊娠時、サプリメントを利用する際の注意点


妊娠を機にサプリメントの利用を考える方も多いかと思います。そこで、サプリメントを利用する際の注意点をお話ししたいと思います。

葉酸は、妊娠初期に不足すると、胎児の神経管閉鎖障害につながる可能性が指摘されています。そのため、葉酸をサプリメントで摂られている方も多いのではないでしょうか。

葉酸は、妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間は、通常の食事からの摂取に加えてサプリメントから1日400㎍(0.4㎎)の摂取が推奨されています。

しかし、葉酸摂取を目的にマルチビタミン製品を摂ると、過剰摂取に注意すべきビタミンAを摂り過ぎてしまう可能性があります。

ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKの脂溶性ビタミンは、体内に蓄積されやすいため、脂溶性ビタミンが一緒に入ったマルチビタミンは注意が必要です。葉酸サプリメントとビタミン類のサプリメントの併用も葉酸を摂り過ぎてしまう可能性があり注意が必要です。

葉酸摂取は葉酸だけが入ったものが安心です。鉄やカルシウムも過剰摂取に注意が必要なので、1日の目安量はしっかり守りましょう。

安全な製品を選ぶことも大切ですので、成分名・含有量や問い合わせ先の記載があるか確認しましょう。

妊婦さん用とされているサプリメントがお薦めです。葉酸以外の栄養素はサプリメントからの摂取は推奨されていないので、なるべく食事で摂るようにしていきましょう。

管理栄養士

吉岡彩

<学歴>
法政大学文学部卒
女子栄養大学栄養学部卒

<職歴>
・損害保険会社にて事務及び講習会講師業務
(その後女子栄養大学を卒業)
・病院にて管理栄養士として給食管理、集団栄養指導、個人栄養指導など
 栄養管理業務を担当
・健康診断専門のクリニックにて管理栄養士として特定保健指導、栄養相談業務を担当
 (今までの特定栄養保健指導の面談及び継続支援者数962名)

ピックアップ記事

関連記事一覧