サプリメントってどんなもの?
この20年でサプリメントは種類が飛躍的に増え、コンビニやネット通販で手軽に購入出来る身近な食品となりました。
厚生労働省「2019年の国民生活基礎調査」におけるサプリメントの利用率は女性28.3%、男性21.7%でした。50代女性では37.6% と最も多い結果でした。
今や多くの人が知っているサプリメントですが、実は法律上の定義はありません。食品と同じ扱いになっています。その為、菓子や飲料までサプリメントと呼ばれることもありました。
米国ではサプリメントを「従来の食品・医薬品とは異なるカテゴリーの食品でビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブ等の成分を含み、通常の食品と紛らわしくない形状(錠剤やカプセル等)のもの」と定義しています。
昨年(2020年)発表された厚生労働省「2019年の国民生活基礎調査」ではサプリメントの用語説明が下記のように示されました。
「サプリメントのような健康食品」とは、健康の維持・増進に役立つといわれる成分を含む、錠剤、カプセル、粉末状、液状などに加工された食品をいい、医薬品(医薬部外品を含 む)、生鮮食品、添加物は含まない。また、菓子、調理品等その外観、形状等から一般的に食品として認識されるものは含まない。
米国の定義に近い一般的な食品とは区別された説明でした。今後サプリメントの認識が変わってくるかもしれません。今回はサプリメントの現状をお伝えしたいと思います。
サプリメントの分類
サプリメントなどの健康食品は大きく「特定の機能の表示ができるもの(保健機能食品)」と「そうでないもの」の2つに分けられます。「そうでないもの」は一般食品になるため、食品の効果や機能の表示は出来ません。
保健機能食品には下記の3種類があります。
①特定保健用食品(通称トクホ)
健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。表示されている効果や安全性については食品ごとに消費者庁が審査を行い、許可しています。
②栄養機能食品
1日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、その補給のために利用できる食品です。すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば国が定めた表現によって機能性を表示することができます。消費者庁の届出・審査不要。表示例:「ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。」
③機能性表示食品
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性や機能性の根拠に関する情報を消費者庁へ届出されたものです。ただし、トクホとは違い、消費者庁の審査を受けたものではありません。
サプリメントの種類
サプリメントは毎日必要な栄養成分のもの、健康維持や美容の為の成分など多数販売されています。
●毎日必要な栄養成分
ビタミン(ビタミンA、ビタミンC、葉酸など)、ミネラル(カルシウムや鉄など)、たんぱく質(アミノ酸など)、n-3系脂肪酸など。
●健康維持や美容などの成分
イソフラボン、エクオール、アントシアニン、ルチン、セサミン、カテキン、グルコサミンなど。
サプリメントと薬の違い
サプリメントは薬ではなく、食品です。違いを見ていきましょう。
●サプリメントと医薬品の主な違い
医薬品 | サプリメント | |
製品の品質 | 品質が一定 | 品質が一定では無い |
対象者 | 病気の人 | 健康な人 |
利用環境 | 医師や薬剤師の管理下で使用 | 製品の選択・利用は消費者の自由 |
サプリメントの選び方
サプリメントを選ぶ際に、保健機能食品(トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品)かどうか、が目安になるかと思います。これらは国の基準や届出などにより効果や安全性が確認されています。特にトクホは食品ごとに審査、許可されているのでより安全性が高いと言えます。
保健機能食品以外のサプリメントは安全性や有効性の確認がされていないものがあるので注意が必要です。
他にも成分名や含有量の表示、信頼できる問い合わせ先の記載があるか確認が必要です。
最も注意したいのが海外製品や個人輸入品です。健康被害が多いのが個人輸入品です。故意に薬の成分を添加した製品(無認可無許可医薬品)を食品として販売されているものもありました。
サプリメントの摂り方と注意点
●サプリメントの効果的な利用法
(1)ご自身の食事を見直し栄養成分の摂取状況を把握
(2)不足量を認識
(3)品質が確かで、生活習慣や好みに応じたサプリメントを選択
(4)摂取したサプリメントの成分の量と期間、どのような症状を受けたか等の利用状況のメモを取る(安全と効果確認)
●過剰摂取は危険
サプリメントの過剰摂取は危険ですので1日の摂取目安量は必ず守りましょう。成分によっては上限量も設定されているものもありますので確認しましょう。
●病者、子供、妊産婦、高齢者は健康被害を起こしやすいため、注意が必要です。
●薬と併用しない病気にかかっている人や薬を飲んでいる人は主治医に相談して下さい。
●アレルギーに注意する原材料を確認しましょう。
●いくつもの製品を同時に摂取しない一度に多種類のサプリメントを摂取することは、健康被害の可能性を高め、被害の原因突明も困難にします。
さいごに
サプリメントを購入する際は、「本当に必要なのか」を一度考えましょう。そして、適正な製品を適切に利用しましょう。