アミノ酸の健康パワー 〜アミノ酸の基本の「キ」〜

今日の食事が明日の自分を作る。人の体は絶えず新しくつくり変えられていて、昨日と今日とでは同じように見えても、細胞の数パーセントは新しく生まれ変わっています。体をつくるための重要な栄養素であるアミノ酸は、毎日欠かさずに摂る必要があります。今回はアミノ酸の効能や上手に摂るポイントをお伝えしましょう。

 


アミノ酸は私たちの体で何になるの?


 

とても根本的な話になりますが、私たちは食べ物を内臓で消化し、必要な栄養素を吸収して残りカスを肛門から排出します。

と、一言にするとシンプルですが、口から入った食べ物が便へと姿を変えるまでの間、私たちの体内では巧妙なシステムが休むことなく稼働しています。例えば、肉・魚・卵・米・大豆などのたんぱく質はアミノ酸として吸収されたのち、全身(筋組織や血液など)にプール(貯蔵)されます。このプールされたアミノ酸は遺伝子の情報に基づいて筋肉や神経伝達物質、ホルモンなど、なんと10万種のたんぱく質につくり変えられるのです。

 


毎日入れ替わるアミノ酸


アミノ酸がつながってできるたんぱく質は新しいアミノ酸と毎日入れ替わってからだを維持しています。効率的に細胞を回復させるためには、バランス良くアミノ酸がプールにあることが大切です。アミノ酸はすべてがバランスよく摂取されることではじめて効果を発揮するのです。

 


アミノ酸はこんな働きをします!


 

アミノ酸は体の各組織に適したたんぱく質に組み立てられた後、どんな働きをするのか見てみましょう。

・免疫抗体として感染などからからだを守る

・神経伝達物質(脳内ホルモン)の材料となる

・筋肉、骨、髪、皮膚、爪、血液などを作る

・エネルギーとして利用される

・ホルモンとして生理作用を調節する

 

アミノ酸が不足してしまうと・・・

・気力や思考力が低下する

・貧血や冷え症になる

・筋肉量が減少する

・やせにくくなる

・病気への免疫力が低下する

・肌や髪のトラブルが起こる

 


アミノ酸を食事から上手に摂るポイントは?


●アミノ酸スコアの高い食品を摂る!

アミノ酸スコア100の食品とは何か聞いたことがありますか。これは全種類の必須アミノ酸が必要量含まれている食品のことを指します。例えば卵、牛・豚・鶏肉(脂身・皮なし)、いわし、鮭、牛乳、ヨーグルトがあります。意外と身近な食材が多いですよね。私は冷蔵庫にゆで卵や「切れてるプロセスチーズ」(※チーズはアミノ酸スコア90)、蒸し鶏を何かしら常備しています。サラダのトッピングに使うだけでなく、口さみしい時はそのままパクリと食べています♪空腹感が満たされるので、甘いものを食べなくても落ち着いていられますよ。

 

●カテゴリーの違う食材を選ぶ!

同じたんぱく質の食材でも、それぞれ違うバランスのアミノ酸の種類を持っています。卵、乳製品、魚、豆・豆製品、肉、といったカテゴリーの違う食材を食卓に取り入れることが大切です。また、魚介類でも栄養バランスは様々です。魚なら鮭、鯛、アジ、マグロ…と、種類を変えてみることも重要です。ストックしているツナ缶や魚肉ソーセージも手軽に料理に加えられるのでおすすめです。

 

●アミノ酸バランスを考えた食べ合わせを意識する!

アミノ酸を摂るときに、からだが喜んでくれるように効率よく食べる方法があります。それは、欠けているアミノ酸を多く持っているほかの食べ物を一緒に食べるということです。お米はリジンというアミノ酸の量が不足しているので、リジンが豊富な豆類との組み合わせがおすすめ。料理好きさんには季節に合わせてグリンピースを炊き込んだ豆ごはんやお赤飯はいかがでしょうか。少しハードルが高いと感じる方は、納豆かけごはんにするだけでもすべてのアミノ酸を必要量摂ることができます。納豆を単体で食べるときは、ツナやかつお節をまぜて一緒に食べるのも良いでしょう。

 


アミノ酸には味がある?


 

当たり前ですが、ものを食べると味を感じます。私たちの味覚は基本味(甘味、苦み、酸味、塩味、うま味)によるもので、中でもうま味は美味しさのバロメーターとなっています。

ところでアミノ酸には味があると思いますか?酸とつくから酸っぱいイメージでしょうか。実はアミノ酸は大きく分けてうま味、甘味、苦味の三種類の味があります。たんぱく質には味がありませんが、アミノ酸に分解されると味が出てくるのです!

皆さんもかつおだしや昆布だしの主な旨み成分がアミノ酸であることはご存じかもしれませんね。他にもアミノ酸の旨みを活かした食品は沢山あります。味噌や醤油などの発酵食品もそうです。少し前にブームになった熟成肉は、寝かせることによって肉のたんぱく質がアミノ酸へ転化され旨み成分を増やす製法です。最近では熟成魚も話題になりました。魚は鮮度が命と思い込んでいましたが、熟成させて旨みを引き出すとは目からうろこでした。

私たちの健康に役立つだけでなく、豊かな味を作り出すアミノ酸。知れば知るほどアミノ酸の底知れぬ能力にとりこになっていきますね!

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栄養士

藤原友香

<学歴>
東京理科大学基礎工学部卒
香川栄養専門学校栄養士科卒(現女子栄養大学短期大学部)

<職歴>
・管理栄養士個人事務所にてアシスタント業務
・加工食品メーカーにて事務
・大手スーパーマーケット本部にて惣菜開発担当

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