血圧降下ペプチドとは!?
血圧が少し高めの方に朗報です!食品由来の『血圧降下ペプチド』が注目されています。
日本で高血圧の人は約4300万人。20歳以上の国民の2人に1人は高血圧と言われています。その中で、高血圧と気づいていない人・認識しているが治療をしてない人・治療をしているがコントロール不良の人が約3100万人もいると推測されています。
高血圧は自覚症状もほとんどなく、高血圧のコントロールも難しいと言われています。高血圧の予防・改善が課題とされています。
そこで、『血圧降下ペプチド』が血圧をコントロールするツールの1つとして期待されています。血圧降下ペプチドが含まれた特定保健用食品(トクホ)も販売されています。
今回は血圧降下ペプチドとはどんなものか、どんな作用があるのかをお話ししたいと思います。また特定保健用食品になっている血圧降下ペプチドもご紹介します。
血圧降下ペプチドとは?
〇ペプチドとは?
ペプチドとは、アミノ酸が結合したものです。たんぱく質との違いはアミノ酸の数です。
アミノ酸が2個~100個まで集まったものをペプチドと呼ぶことが多いようです。それ以上がたんぱく質となりますが、きちんと決まっているわけではないようです。
〇血圧降下ペプチドとは?
血圧降下ペプチドは、血圧を下げる効果があるペプチドの総称です。その中でも、最も研究が行われ商品化されているのが『アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害ペプチド』です。
血圧降下ペプチドは、牛乳や発酵乳、魚介類、大豆、米、とうもろこしなどのたんぱく質を酵素分解することにより得られます。
全てのペプチドに血圧降下作用があるわけではなく、特定のアミノ酸配列を持ったものが、血圧降下ペプチドとなります。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害ペプチドの作用機序
〇アンジオテンシン変換酵素とは?
血圧上昇に関与する酵素で、ACEと略されます。
〇血圧が上がるメカニズム
私たちの体には、ナトリウムをため込む機能、『レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系』のしくみがあります。それが亢進すると血圧が上がります。
血液中のナトリウムが少なくなる、交感神経が働きすぎて腎臓を刺激する、腎臓の動脈が狭くなったとき、このしくみが亢進します。
また、内臓脂肪が増えるとアンジオテンシノーゲンの分泌が増え、レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系が活発になり、血圧が上がります。
『レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系』では、まず腎臓からレニンという物質が分泌されます。レニンはアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンⅠに変えます。アンジオテンシンⅠは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)の作用でアンジオテンシンⅡに変わります。
このアンジオテンシンⅡは、強力な末梢血管収縮作用があり、血圧を上げます。また、アンジオテンシンⅡはアルドステロンの分泌を促進します。アルドステロンは、ナトリウムの再吸収を促進します。そのため血液量が増え血圧が上がります。
〇ACE阻害ペプチドの血圧降下作用
ACE阻害ペプチドは、ACEを阻害するため血圧を上げるアンジオテンシンⅡの産生を抑制し、血圧上昇を防ぎます。
トクホの血圧降下ペプチドってどんなものがあるの?
特定保健用食品(トクホ)として販売されている『血圧降下ペプチド』の食品には、飲料や醤油、粒タイプのタブレット、粉末状のものがありました。
飲料には、お茶類から野菜・果物ミックスジュース、カルピス酸乳などの清涼飲料水がありました。お茶類ではゴマ由来のペプチド、野菜・果物ミックスジュースとカルピス酸乳は、牛乳由来のペプチドでした。
その他の清涼飲料水ではイワシ由来のペプチドもありました。タブレットではイワシ由来のペプチドが多く、粉状のものは海苔由来のペプチドでした。醤油は大豆由来のペプチドでした。
トクホで販売されている血圧降下ペプチドは、全てACE阻害ペプチドでした。どの商品も高血圧の治療を受けている方、妊娠中または妊娠している可能性のある方、及び腎機能が低下している方は、医師と相談するよう注意書きがあるので、お気をつけください。
トクホの商品には飲料や醤油、タブレットなど色々な形態の食品で販売されているので、生活スタイルに合わせて選択しやすいですね。
また高血圧の改善には、減塩などの食事や運動習慣も大切です。ぜひ、生活習慣の見直しもしてみてください。