どうして高血圧になるの!? part2 ー高血圧の原因と予防ー
今回は、「どうして高血圧になるの?ー高血圧の原因と予防ー」part1の続きです。
part1では、血圧の基準値と血圧が高くなるメカニズムについてお伝えしました。ぜひ、part1からご覧ください。
part2では、高血圧の原因と予防についてお話しします。
高血圧の原因
高血圧には、腎臓病など特定の病気が原因で起こる「二次性高血圧」と、原因が明確ではない「本能性高血圧」があります。
高血圧の約9割を占めるのが、本能性高血圧です。
本能性高血圧は、遺伝的体質、加齢、食塩の過剰摂取、肥満、運動不足、過度の飲酒、喫煙、ストレスなどが組み合わさって起こると考えられています。最も大きくかかわっているのが遺伝であり、両親が高血圧の人は高血圧になる可能性が50%以上と言われています。
また、日本人には塩分をとると血圧が上がりやすい体質(食塩感受性)の人が多いとも言われています。
高血圧の予防
高血圧の予防には、生活習慣の見直し・改善が大切です。
高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、運動不足、過度の飲酒、喫煙、ストレスなどが組み合わさって起こると考えられています。高血圧対策を1つずつ確認して、できることから始めましょう!
①食塩を減らす
日本人の大半は、食塩を1日6g以上とると血圧が上昇することが確認されています。食塩をとりすぎると腎臓などの臓器にも負担がかかります。減塩は高血圧予防において、特に重要です!
日本高血圧学会では、高血圧の人の減塩目標を1日6g未満としています。高血圧でない人も「日本人の食事摂取基準(2020版)」によると、食塩の目標値は男性で7.5g/日未満、女性では6.5g/日未満とされています。
「国民健康・栄養調査(令和元年)」では、食塩摂取量の平均は、10.1g/日でした。減塩の目標値は塩を好む私たち日本人にとって、とても厳しい数値です!味噌汁1杯には約1.5gの食塩が、ラーメン1杯にはなんと約6~8gの食塩が含まれています。減塩を意識して食事をしないと、目標値以内にすることはとても難しいです。
減塩のポイントを参考に実行できそうなことから取り組んでいきましょう!
また野菜や果物、大豆製品に多く含まれるカリウムには、腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります。野菜は毎食、果物や大豆製品は1日1回、とるようにしましょう。
(腎臓の病気がある人は、カリウム制限が必要な場合があるので、主治医と相談してください。)
減塩ポイント
・塩分が多く含まれている食品を控える
梅干し、漬物、練り製品、魚の干物、インスタント食品、加工食品など。
・麺類の汁は残す
汁を全部残すと、2~3gの減塩になります。
・味噌汁は1日1杯まで
味噌汁には1杯1.2g~1.8gの塩分が含まれています。野菜を入れた具だくさんの味噌汁がお薦めです。
・香辛料、薬味、酸味を上手に使う
こしょう、七味、ねぎ、生姜、柑橘類などを組み合わせましょう。
・旬な食材の持ち味を生かす
旬な食材にはうま味成分が多いため、減塩でも美味しく感じられます。
②肥満を解消する
最近では若者~中年の男性を中心に肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧の割合が増えていると言われています。
肥満の人は減量すると血圧が下がることが分かっています。まずは現在の体重の4%減少を目標にしていきましょう。
減量には、食事・運動の見直しと栄養バランスよく食事をとることが大切です。ジュースやお菓子などの嗜好品や油もの、ご飯などの炭水化物は多くないか、食事の見直しが大切です。
嗜好品は1日200㎉以内、油料理は1食1品まで、ご飯は大盛りにせず茶碗に軽く1杯が目安です。
1食の目安として、主食(ごはん・麺類・パンなど)1品+主菜(魚・肉・卵・大豆製品)1品+副菜(野菜・海藻)2品が揃うとバランスの良い食事になります。
主菜は、毎食違う食品をとるのが理想です。野菜をたくさんとることも減量にもつながります。意識して野菜をとりいれましょう!
③有酸素運動をする
軽い運動を続けると血圧が下がると言われています。ストレス解消や減量にもつながります。
ウォーキングや軽いジョギング、自転車や水泳などの有酸素運動がお薦めです。
1日30分程度の運動が目安ですが、まずはいつもより10分多く歩くことを心がけましょう。
④お酒は適量にする
お酒は、長年たくさん飲み続けると血圧が上がります。
血圧に影響を与えない1日の飲酒量は、男性の場合はビールなら中ビン1本(500ml)、日本酒なら1合、焼酎なら半合、ワインならグラス2杯弱、ウィスキーならダブル1杯が目安です。女性は男性の半分が目安です。
⑤禁煙する
喫煙は血圧を上げるだけでなく、動脈硬化も進行させ、心臓病リスクも高めます。
禁煙が難しい場合には、ニコチンパッチなど禁煙補助剤を用いる方法もあるので、主治医と相談しましょう。
⑥ストレスを解消する
ストレスは高血圧の大きなリスクの1つです。ストレスの原因をとりのぞくことが大切ですが、難しいことも多いと思います。
まずはストレス解消の基本である休息と睡眠をしっかりとりましょう。軽い運動もお薦めです。
⑦毎年健診を受ける
高血圧は自覚症状がほとんどなく、気づきにくいので、毎年健診を受けることも大切です。
⑧家庭用血圧計で毎日測る
早く気づくために、自宅でも家庭用血圧計で毎日測ることもお薦めです。