乳酸菌は私たちのからだの中でどうしているの?
乳酸菌は生きたまま腸に届いているの?
日本人の腸が欧米の人よりずっと長いことを知っていますか?繊維質の多い食物は消化に時間がかかるため、食物繊維が豊富な食事をしてきた日本人の腸は必然的に長くなったと言われています。実は、この腸の長さも乳酸菌の働きに関わっているのです。
乳酸菌は食べ物の消化液である胃酸によって、その多くは胃や十二指腸を通過しながら死んでしまいます。そのため、ヨーグルトやキムチに配合されている乳酸菌は、ほとんど生きたまま腸まで届いていないのです。さらに日本人は長い腸の持ち主であるため、なおさら乳酸菌が死滅する確率が高いのです!運よく生き残れたとしても、あとからやって来た菌が一生腸にすみついてはたらいていてくれることはほとんど無い、と言われています。だからこそ乳酸菌は継続してとる必要があるのです!
希少価値!生きた乳酸菌はごくわずか
このようなから事実から考えると、生きたまま腸に届く乳酸菌が、とても貴重な存在であることがわかりますね。「生きたまま腸まで届く」というフレーズが、商品のキャッチコピーなどでよく用いられているのはこのためです。ヨーグルトの容器でよく見る「プロバイオティクス乳酸菌」も生きた乳酸菌のことですよ。より腸の調子を整える効果を期待するならこのワードにもぜひ注目してくださいね。
また乳酸菌の効果をより期待するなら、胃酸が多く出る空腹時は避けて、食間や食後に食べることをおすすめします。熱に弱い乳酸菌が多いので加熱調理は避けましょう。
プロバイオティクス乳酸菌の良い働きって?
まさに強い戦士とも言える生きた乳酸菌は、腸をゆっくりと通過しながら乳酸を作ります。すると腸内は酸性に傾き、善玉菌が増えやすく悪玉菌が生育しにくい環境になるのです。つまり生きた乳酸菌は、腸内細菌のバランスを正常化するために存在しています。
腸内細菌のバランスを整えることで私たちの体にとってどんな効果を期待できるでしょうか。例えば、腸に存在する様々な細胞に働きかけることで、腸のぜん動運動を促す(整腸作用)、免疫力を高める、アレルギーの発症を予防する、ウィルス感染を予防する、血清コレステロールを低下させる、などの作用をもつ様々なプロバイオティクス乳酸菌が報告されています。
死んでしまった乳酸菌は意味がない?
ほとんどが死滅してしまうということは、乳酸菌を含む食品を食べても意味がないのでは?むしろ死菌は悪さをするのでは?と不安になりますよね。いいえ、まったく無意味なことはありません!実は胃酸に分解された乳酸菌が腸内に届くと、善玉菌のエサとなって働きをサポートしてくれます。また、食物繊維と同じような働きをして悪玉菌を外へ排出する役割をしているのです。
たとえ生きたまま届かなくても、乳酸菌の効果がまったくなくなるわけではないので安心してくださいね。
効率的!腸内フローラを整える整腸剤とサプリ
繰り返しになりますが、体の外から取り入れた乳酸菌などの善玉菌は腸内で長くは定着しません。食事で腸内フローラを整えるのが理想ですが、現実的には毎日同じリズムでバランスの良い食事を適量摂ることは難しい・・・ですよね。忙しくてもできる日常的なアプローチには、整腸剤やサプリメントをプラスすることがおすすめです!善玉菌摂取を効率的に行うことをサポートしてくれますよ。
乳酸菌サプリは手に入りやすく整腸効果はもちろん、免疫力を高める目的もあり、またさまざまな成分が配合されていて、副次的な効果もねらえます。余分な脂肪分、タンパク成分を摂らずに善玉菌を補うことができます。また、生きた状態で菌を届けるために‘耐酸性カプセル’を採用しているサプリもあるので注目です。
サプリメントを含む健康食品は、健康な人を対象とする、あくまでも食べ物です。乳酸菌の薬であるビオフェルミンなどの医薬品は病気やケガの治療や予防を目的としています。お腹の不調が改善しない場合は薬局や医師による処方薬で善玉菌を補うと良いでしょう。
お菓子からも生きた乳酸菌が摂れる!
おなじみのビスケット、ビスコに入っている乳酸菌は白いクリーム部分に配合されています。胞子の殻で守られて、胃酸に負けず眠ったまま腸に届き、腸内で目覚めて、良い腸内細菌をサポートします。同じく有胞子乳酸菌が配合されたキャンディーやチョコレート、アイスなど、乳酸菌入りを付加価値としたお菓子が続々登場しているので要チェックです!!