ホスファチジルセリンとは? part1
最近物忘れが気になる、記憶力の低下が気になる、そんな方に朗報です!記憶力の維持に効果的とされている「ホスファチジルセリン」が今注目されています。
ホスファチジルセリンは、1941年アメリカの生化学者が牛の脳から発見。発見当初より脳機能との関連が注目されてきました。
その後、欧米で脳機能改善として様々な研究がされてきました。そのため、アメリカでは脳の働きを活性化する食べ物「ブレインフード」として、広く知られています。サプリメントとしても知名度が高い成分です。
日本では、2018年「大豆由来ホスファチジルセリンは、記憶力が低下した健康な中高齢者の認知機能の一部である記憶力(言葉を思い出す力)の維持をサポートする」という表示ができる機能性表示食品が初めて販売されました。
記憶力の維持、脳機能改善として期待されている「ホスファチジルセリン」。検索をすると、ホスファチジルコリン、リン脂質、レシチンなども出てきたり、難しい言葉が色々と出てきました。
そこで、今回「ホスファチジルセリン」とは何ものなのか、どんな効果が期待できるのかをまとめてみたいと思います。
part1では、ホスファチジルセリンの基本情報とホスファチジルコリンとの共通点や違いについてお伝えします。
ホスファチジルセリンとは?
ホスファチジルセリンとは、動物、植物の細胞膜に含まれるリン脂質(分子内にリン酸を含む脂質)の1種です。
リン脂質とは、細胞膜を形成する主成分で、からだの情報を伝えたり、必要な物質を通して、不要な物質を通さないようにするなど、とても大きな役割をしています。
ホスファチジルセリンは、人の細胞膜にも含まれており、特に脳の神経組織膜に多く存在します。
ホスファチジルセリンは、アセチルコリンやドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質の分泌量を増加させます。これによって、情報伝達がスムーズになり記憶力の維持や向上が期待できると言われています。
ホスファチジルセリンは、情報伝達において重要な役割を果たしています。ホスファチジルセリンは、体内でも産生されますが、一般に食事に由来する成分です。
ホスファチジルセリンとホスファチジルコリンは、なにが違うの?
両者とも、リン脂質の1種であり、細胞膜の構成成分であり、血漿、脳神経組織、生体膜に存在します。ホスファチジルコリンも情報伝達において重要な役割を果たしています。
違いは、脂質の構成成分で、名称の通りグリセロリン脂質の塩基部分にコリン(水溶性ビタミン様作用物質)がつくのが、ホスファチジルコリン。グリセロリン脂質の塩基部分にセリン(アミノ酸)がつくのが、ホスファチジルセリンです。
比較的、脳細胞膜の内側に存在するのが、ホスファチジルセリンであり、脳細胞膜の外側に存在するのが、ホスファチジルコリンと言われています。
ホスファチジルセリンは、ホスファチジルコリンと一緒にとることによって、相乗効果が期待できます。また、ホスファチジルコリンのことをレシチンとも言われています。
リン脂質の1種であるレシチンは狭義では、ホスファチジルコリンのことを指しています。広義では、レシチンはホスファチジルコリンだけでなく、ホスファチジルセリンやホスファチジルエタノールアミンなどのリン脂質を含む製品全体を総称しています。
part1は、ここで終了です。part2では、ホスファチジルセリンの研究歴史や期待できる効果、ホスファチジルセリンが多く含まれている食品についてお伝えします。
ぜひ、part2もご覧ください。